2015年5月29日金曜日

今井雅之の功罪について

今井雅之の訃報を知ったが、自分も抗がん剤の最中だったので動けなかった。

少し体が戻ってきたので書こうと思う。

死んだ人の悪口は言いたくないが、がん患者としての立場をご理解頂きたく、ご批判覚悟で書く。



まずは、合掌。
お悔やみ申し上げる。


功罪の「功」の部分から。


あの記者会見をする事によってガンという病気への注目が集まった事。
他の病気でもそうなのかもしれないが、自分や家族、近しい人がガンにならない限りガンという病気は身近なものとはならない。


今井雅之という俳優が世の中にどれだけ影響力のある人なのかは正直わからない。
ドラマも舞台も見ない私にとっては馴染みの薄い人物だ。
どちらかと言えば、今いくよの方がテレビで見ていた思い出がある。


ともかく多少はガンという病気に注目が集まった事は間違いないと思う。


そして「罪」の部分。

ガン=死というイメージを強くしてしまった事。
同じステージ4の私としては社会復帰の足かせになる。

どこかの企業面接で病気の事を話したとたん「ああ今井雅之と同じか。先は長くないな。」と思われる可能性が非常に高い。

ガンが注目されるのとガンが理解されるのは同じではない。


ステージ4でも社会復帰されている方はたくさんいるだろう。


同じ記者会見でも逸見さんとの印象が違う。

今井雅之の場合は「勝てなかった」というネガティブワードとともに転移を隠していた。

何の為の記者会見だったのだろうかと思ってしまう。
包み隠さず病気の事を公表する場ではなかったのか。

ステージ4は多臓器への遠隔転移している状態の事を指すのはガンに携わる人なら誰でもわかる。


逸見さんは最後まで強い意志で会見を貫いた。
少なくとも言葉だけで捉えれば、だ。


亡くなった事へ関しては非常にお気の毒だ。
抗がん剤の辛さもわかる。


しかし、世の中に多少の誤解を残して逝ってしまった事、他のがん患者へのネガティブなイメージを植えてしまった事は事実で残念だ。


ステージ4=死 ではない。


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