2016年11月21日月曜日

がん患者目線から映画「聖の青春」を見た

当時、会社帰りだったと思う。

埼京線の広告で車内に掲載されていた。

パッと見ると、単なる父ちゃん坊やが将棋さしながらこちらを見てるだけなのに強烈に今でもその広告は覚えている。
将棋なんか興味ないし、ルール知らないし、そもそも村山聖と言う人の名前すら知らない。

将棋で知っている名前と言えば、羽生善治と「今から突入しまーす」で話題になった中原誠くらいだ。
当時は羽生善治が将棋の代名詞だった。寝癖も結婚も話題になり、公文のCMにも出演していた。

長嶋茂雄と野村克也みたいなものなのだろうか。

それが主人公の村山聖だった。

膀胱癌を宣告され、29歳で亡くなる。

患者目線で映画を鑑賞して気になった。

医師の「何故もっと早く来ないのか」発言

本作品では「どうしてここまで放っておいた」的な発言が2度ある。

映画だから脚色なのかもしれないが、実体験として急患で一度言われた事がある。

この一言は、医師の暴力だと思う。
患者が適切な段階で病院に行ける事は稀だろう。何故なら判断するのが素人だからだ。もしも肉親全員をガンで亡くし、ある日、食事の味がおかしいと思ったりしたら判断できるかもしれないが、全員が全員できるはずがない。
なのにも関わらず、遠回しに手遅れですと言われているようなものだ。

患者の前で喫煙

本作品では、柄本明の息子が終止タバコを吸う役を演じており、聖の前でも吸っている。これはガンである事を知りながら吸っているのだろうか。

ガンでなくとも病人の前で喫煙なんて信じられない。

麻酔を拒否する

劇中で「麻酔をやらないのであれば手術してもいい」と言う台詞がある。

この時、これを思い出した。
年齢制限でプロになれず、舌ガンを患いながらアマチュア将棋を続けていくドキュメンタリーだ。リアルタイムだと今年の春先に入院中に見た。

この人も抗がん剤は判断力が鈍るからと言う理由で拒否をしていた。
将棋を続けたいのに何故拒否するのだろうと思っていた。

今なら続けたいが為に治療をして生き残っても満足にやれない状態なら意味がないと言う事なのがわかる。

この人も30歳で亡くなっている。
憶測だが、村山聖の影響を少なからず受けているとは思う。


映画の評価としては淡々と進む展開に刺激を感じないコメントが目立つ。
しかし、私はそうは思わなかった。
ガンはジリジリと身体を蝕んでいくものだから心臓みたいに急に何かあるわけでもないし、結核のように急に吐血もしない。
病気なのに日常と変わらない生活ができてしまう点にガンの怖さがあると考えている。
だからガンになった時、「何で自分が?」と思う人が多いのだろう。

淡々としている印象があるかもしれないが、患者目線で言うと如実に体調が悪化しているのが伝わってくる。わからない人は健康体の人なのだろう。

死のシーンも淡々としていたと言うかもしれない。
リリー・フランキーが電話で「村山君が亡くなった」と言う台詞で知らされる。
人間が死ぬと言う事は、案外あっさりしているのかもしれない。
切腹するわけでも飛び降りるわけでもない。
自分の意志で死ぬわけでない時は、こんなものなのかもしれない。

奇しくも同じ松山ケンイチが演じる平清盛は熱病で源頼朝の首を墓前に備えるよう言って壮絶に亡くなるが、40度を超えた熱だとしたら立ち上がる事すらできない。感染症の時、トイレに行くのもやっとだった。史実では意外と静かに死んだのではないかと思っている。



それにしても残念なのが、原作の表紙。
爽やかになってしまった。
私は冒頭の本人が座っている強烈な方が伝わってきたと思うが、逆に伝わり過ぎるからやめたのだろうか。遺族や将棋連盟から何か言われたのだろうか。


見終わった後、「続けたいなら自己管理しなきゃ」「ここまで命を燃やしてスゴい」などどう感じるかでその人の人生観がわかる気がする。


ちなみに劇中で自分の財布からお札を出して破るシーンがある。
これは犯罪なのではないかと思って今確認したら貨幣(コイン)は規定があるが、自分の紙幣を破ったり燃やしたりすると罪に問う規定はないらしい。



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