2012年5月22日火曜日

抗がん剤治療入院 2日目

2日目、いよいよXELOX療法を開始である。

早朝に採血をして朝食を済ませ、回診を終え、
10:00から点滴を開始だ。

さすがに新人の看護師にやらせるわけにはいかないようで
主任の看護師とベテラン医師(お偉いさん)の二人でかなり
注意深く確認をしていた。

予定では2時間で点滴が終了。

昼までには終わるので「トイレ以外はベッドから離れないでください」と
だけ言われている。

もしかして抗がん剤治療を本人は軽く考えているかもしれない。

母も午前中にいたが、点滴をする前に帰宅をした。
いても構わないと言ったのが、見たくなかったのだろう。
私に握手を求めて帰って行った。

確かにガンに対して楽観的なのかもしれない。

祖母がガンになった時、同世代で人一倍元気な祖母の回復を信じていた。
ところが、手術を拒み、それがストレスだったのか入院してしまった。
結局は手術をする事なく、鬼籍に入った。

他の家族は知らないが、私は過信していたと思う。
裏を返すとそれは願いでもあったのだ。

自分のガンに関しても早期だろう、またはリンパ節転移がない、あっても
少しだろうと考えていた。
何故なら体が元気で動くし、そうあって欲しいという願望があったからだ。

ところが、現実はステージⅣに近く、再発に準じた治療を行わないといけない
状況なのだ。不幸中の幸いなのが、遠隔転移が見られないくらい。


話を点滴に戻そう。


開始して10分くらいしたが、特に何もない。
なのに主任の看護師は頻繁に私のところに来る。


40分くらい経過した頃から喉の違和感と点滴の箇所にごく軽いしびれが
起きた。
それでも我慢ができないかと言えば、我慢できる。

我慢できる/できない がポイントらしい。
退院するまで症状を報告する度に質問されるのだ。


予定通り、正午に点滴が完了。
一緒に打っていたビタミン剤のような点滴は引き続き行っている。


説明を受けていた割には、あっさりと点滴が終了した。


残った点滴も14:00くらいに終了。


文字を読むと目が痙攣を起こすが、医師と看護師の反応を見ると、
これは関係ないようだ。


さて、16:00から今後の外来の化学療法のオリエンテーションを
するから移動しなくてはいけない。

オリエンテーションの時間を待つ間に薬剤師が抗がん剤の説明に
来た。何度も説明してすり込ませる気のようだ。

まずDVDを見せられる。
散々説明された内容を映像で見せられている。
今後の外来の段取りも聞いた。

なるほど点滴中は売店に買い物しに行っても大丈夫らしい。
ノートPCの持ち込みもOKとの事。


あと、副作用の対策で手足に保湿剤を塗るそうだ。

何故なのかわからないが、塗ると対策になるそうで私も夜から塗る
事になる。
寝る時は綿の手袋と靴下を履いて寝るらしい。


説明を聞くと、制限事項が実に多い。

ただ、車で来院するのは構わないそうだ。


これだけの制限事項を守ると治療を受けながら会社勤めしてる人は
どうやって生活をしているのだろうか?
いくつかの制限事項は守ってないはずだ。


母が夕方になって登場。
私としては喉の違和感以外は何もない。


夕食をすませ、シャワーは今日NGらしいので体をタオルで拭いて
保湿剤を塗る。
アトピー性皮膚炎持ちだった私は薬を塗って寝る事に抵抗は感じない。
綿の手袋をつけて寝ていた時期も過去にはあった。


妙なところで経験がリンクするものだ。

夕食後から飲み薬も開始。
これを2週間続け、1週間止め、翌週に点滴を打ち、飲み始めるという
サイクルが半年も続くのだ。

この日を境に病室も慌ただしくなる。
6人部屋で私を含めて3人で静かで落ち着いていた部屋も入院患者が
増えてきた。

隣のベッドに来た男性もがん患者のようだが、いびきがうるさく、
2〜3日は悩みの種になる。

物事が動き始めたのを感じている。

ともかく私の体には抗がん剤が流れ始めた。